5年やってわかった、日本人と台湾人に見る客室の使い方の違い

以前ブログでこんな記事を見つけた。

中国人観光客の増加①マナー違反に迷惑する日本人/誠実さの違い。

 
大体の記事の内容は、「 中国人観光客がホテルの部屋から色々な物を盗んでいくが、それは両国の道徳観の違いで盗まれないように対策をしなければならない。」というものだ。
 
僕もホテル経営者の端くれとして言わせて貰えば、それは国別ではなく客の質別に考えないといけない話ではないのかと思う。
 
私のホテルにはだいたい日本人60%、台湾人15%、シンガポール人(マレー系)10%、シンガポール人(中華系)5%、香港人5%、その他5%くらいの比率でお客さんに利用してもらっている。
 
正直に言って、チェックアウトした後のお部屋は日本人がダントツで一番きれいだと思っていたが、清掃スタッフにどの国の人がきれいに使ってくれているか聞いてみたら、結果はこうだった。
 
1位…日本人のお年寄り
2位…台湾人と香港人シンガポール人の中華系
3位…シンガポール人のマレー系
4位…日本人の子供連れ
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100位…日本人のヤンキー
 
この結果、私が長年モヤモヤっと思っていたことを、批判を恐れずに今日書いてみたいと思う。
 
「金持ちほどきれいに使っていく」
 
まず、1位の日本人の老人は昔の厳しいしつけの時代を生きてきた人なので綺麗なのは納得である。2位の中華系の方々は1位に限りなく近いレベルで綺麗だ。3位のマレー系のシンガポール人に関しては、宗教上食べ物に制限があるのでお部屋で持ち込んだ料理を食べているから、キッチン周りの掃除が大変だという理由で4位になっている。ベッドルームなどは概ね綺麗に使ってもらっているそうだ。
4位の日本人の子供連れは、私も子供がいるからわかるのだが、子供はやっぱり窓を触ったり食べ物を落とすので汚れてしまう。これは成長のために必要な汚れなのでホテルスタッフとしても微笑ましく思っている。
 
問題は100位の「日本人のヤンキー」である。
まず彼らはゴミ、タバコの吸殻をその辺に捨て、夜は遅くまで騒ぎ、朝はチェックアウト時間を過ぎても寝ている。あまりにも最低な客なので5年くらい前にヤンキーはどうしたら来なくなるのかを真剣に考えた。そして2017年はヤンキーが0%になった。
 
どうやったら汚いヤンキーが来なくなったのか?
 
「中国人お断り」と書いた店があると上のブログには書いてあったが、うちのホテルではさすがに「ヤンキーお断り」とは書けなかった笑
一番最初にやったことが、最低料金を値上げしたことだ。5年前は一番高い料金と一番安い料金に10000円も差があった。つまり、1泊1人15000円払う人と5000円しか払わない人が同じ宿に泊まっていたのである。そして5000円の客はやっぱり、ヤンキーだった。
 
なので最低料金を5000円から8000円に値上げしてみた。この決断に至るまでは客が減って売り上げも減るのではないかと相当怖かったが、結果大正解だった。
 
料金の値上げに伴い客室も改装を進め、1コテージ最大12人泊まれる部屋の定員を6人に減らした。2018年現在、この部屋は4人用の部屋となった。
 
2人~4人で来たお客さんが快適に使えるように客室を大幅に改装したのでお金はかかったが、結果客単価が上がり売り上げが増えた。
 
そして何より、お部屋の掃除が楽になった。お客さんはみんな綺麗に使ってくれるようになったのだ。ここ5年、お部屋でゲロの後始末をすることも静かにしてくれと夜回りをする必要もなくなった。
 
今は嬉しいことに色々な国の人がポレポレを利用してくれるが、どこの国の人だろうと本当に綺麗に使ってくれている。話題の中国からも僅かだが泊まりに来るが、嫌な思いをしたことは1度もない。
今やポレポレに来るお客さんは本当に清楚で、いい教育を受けてきたレベルの高い人達ばっかりだ。
 
おそらくブログの中で物を盗んでいく中国人は、安いホテルに泊まっている所得の低い人なのではないか。スラム街の治安が悪いのと一緒で安いところにはそういう人が集まってしまうのではないか。日本人のヤンキーは海外に行ったら壁に落書きしてるし、人種よりも所得との関係の方が大きいような気がする。
 
さて、ポレポレに来るお客さんはレベルの高い人達ばっかりだから、あそこの奥山って言う奴はレベルが低いって言われないように頑張ります。私たちがお客さんを評価しているように、お客さんも我々を評価してるわけですからね。